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#0023 中国に疑いの目を向けるEUと謝罪したフィリピン

欧州では中国が提供する医療物資に助けられている面があるが、一方で中国のマスク外交には警戒を抱いているようです。
中国には欧州を分裂させる狙いがあるのではないかという推測は、中国の偏った政府発表や報道から生まれています。
フィリピン保健省は、中国から寄贈されたウイルス検査キットが不正確だったと述べたことについて謝罪したとフィリピンメディアインクワイアラーが報じています。
(参考)Inquirer.net 2020/03/30
これによると、問題のあった検査キットは民間財団から寄付を提案されていたものだったとしていますが、どの財団からの寄付で、どういったメーカーのものだったかは明らかにしませんでした。
フィリピン側は、中国から寄贈された2種類の検査キットは非常に優れたものであり、WHOから寄贈され、国内で承認されたものと同等の基準に達しているとしています。
一方で中国は加盟国間での協力体制が整わないEU諸国に対して積極的に支援の手を差し伸べ、その存在感を示そうとしています。
中国はEUを通じてではなく、個別の国に対して直接支援を行っています。このことが西側諸国に対して、EU分裂を目論む動きとして警戒を抱かせることとなっています。
中国は各国の首脳と直接電話会談を行いながらも、EUのトップである執行委員長とは電話会談を行っていないことからこう考えられる、と香港メディアSCMPは報じています。
(参考)SCMP 2020/03/28
EUへの加盟を交渉中のセルビアからは、EUからは何の支援もなく、EUの連帯はファンタジー。それとは違い、習近平国家主席は友人であり兄弟だ、と中国を賞賛しています。
こうした寛容を見せるのは、中国は自らの感染拡大の責任を希釈させようとしているものだとし、中国が発信したフェイクニュースなどを例示して警戒を呼びかけています。
編集所感
中国の欧州諸国への個別支援の波は凄まじいものがあります。イタリア、ベルギー、ギリシャ、スペイン、セルビアなどに対しては、有償無償を含めて大量の医療物資を提供して積極支援をアピールしています。
一方で自国のことで手一杯のEU諸国は連携を取り合う余裕もありません。ヨーロッパで最初に感染拡大を経験したイタリアはEUの対応について失望したと話しています。
問題となっているのは中国の極めて怪しい動きです。中国外交部報道官の「米軍が武漢にウイルスを持ち込んだ」という余りにも稚拙なフェイクニュースは世界を唖然とさせました。
また、中国はイタリアの学者が「昨年の11月や12月にもイタリアで奇妙な肺炎が発生した」という報告を捕らえ、イタリア起源説を国内外に主張するなど、偏った情報操作を行っています。
(参考)毎日経済 2020/02/29
わたしは感染拡大に対して中国に責任の多くを押しつけるのは適切ではないと思います。なぜなら仮に別の場所が流行の震源となったとしても、同様に世界に広がったと考えられるからです。
全世界へのアクセスが容易な現在のおの中で、感染力が極めて強くやっかいなこのウイルスの感染拡大防止が極めて困難であることは、世界各国の都市を見ても明白であるからです。
ただ、中国の責任回避に対する動きは非難に値するもので、全く受け容れられません。米国やイタリアへの責任転嫁は不適切であり、極めて不快なものです。
中国という国家はいまだ自省という言葉を知らず、別の何かに責任を押しつける式の政治をこの21世紀でも行っているという事です。そこには極大解釈と矮小化を用いたねつ造、歪曲とも言える不適切な主張が伴っています。
ただこの中国の愚劣なやり方と同様に、米国トランプ政権が全ての責任を中国になすりつけようとするのも支持しません。トランプ政権は明らかに新型コロナウイルスを軽視し、完全に初期対応を誤ったからです。
トランプ政権は自らの初期対応の失敗を自省すべきです。中国と同じように自分以外になすりつけてはいけません。
なので米中韓の低次元な争いについて、コメントはありません。愚かしい限りです。
一方でフィリピンは自身の過ちをはっきり認めました。これは背景に何があったのかは分かりませんが、存在するかどうかわからない民間財団に問題があることとなりました。
中国とフィリピンの間でどのようなやり取りがあったかは分かりませんが、ヨーロッパで中国製品に対する不信感が広がるなかで、逆に中国製品の優秀さを賞賛する奇妙な場となってしまいました。
中にはフィリピンは中国の体面を保つために何か利益を得たと推測する人も出てくるでしょう。それだけ不可解な事が起きています。
中国ではまた感染が増えていますが、あくまで国外からの流入が主であるとしています。
多くの事柄が中国にとって都合良く進もうとしている現状を見て、中国に対して不信感が芽生えるのは無理もないと思います。
お〆め




























そして・・・











