#0034 韓国の防疫方式を批判するフランス人の人権の考え方

(参考)Les Echos 2020/04/09
彼女は「韓国と台湾は個人の自由尊重において良いモデルになる国ではないだけでなく、かえって個人の自由保障において最悪の国家という事実を忘れてはならない」と指摘しています。
「数年前から中国はデジタル監視システムを作って国民を抑圧しているが、韓国も同じようにしている」
「韓国は全ての種類の監視と密告において中国に次いで世界2番目の国家」と主張。
「何千人もの韓国人がストーカーして密告する技術を専門的な学校で学び、他人の過ちを申告して金儲けする」とし
「韓国人達は路上でたばこの吸い殻を捨てたことや、他人の不倫を申告してお金を儲ける」と韓国の通報制度を批判しています。
また「中国・台湾・韓国などの密告と極度の監視文化はフランスとは全く違う」とし「こうした国は遠い昔に個人の自由を放棄した国だ」と指摘しています。
こうした韓国批判に対し、韓国政府は大使館を通じて反論文を寄稿したそうです。
フランス在住の韓国人からは「死亡者が1万人を超えた国が死者200人しか出ていない国を甘く見ていて怒りというより笑いが出てくる」という声が出てきたり、
フランスの韓国人会からは「移動禁止令で足止めされるフランスと、移動禁止のない韓国のどちらがより個人の自由があるか聞きたい」という声も上がっています。
(参考)朝鮮日報 2020/04/11
フランスではシンガポールや台湾、韓国などのように携帯電話の追跡や監視による位置情報送信はプライバシーを侵害しているという見方が多くあるようで、
急速な感染拡大が続いている状況でも、個人の自由が制限されることを気にする意見は多いとのことです。
フランスの日刊紙ル・フィガロの記者も、韓国やシンガポール、台湾の独裁的かつ非民主的なコロナウイルスの封じ込めはヨーロッパでは受け容れられないとし、
(参考)Le Figaro 2020/04/10
「韓国のシステムは非常に高圧的でリアルタイムに追跡されている」と主張しています。
さらに「韓国の方式で私生活を侵害し、国民の基本権を侵害してもフランスはウイルスの拡散を防げなかった」とフランス政府の移動制限を批判しています。
そういう声がある一方で、フランスの週刊誌ル・フォンは違った姿勢を見せています。というのもソウルで取材中にカメラマンが陽性判定を受け、記者は自己隔離状態を経験したからだそうです。
記者によると「韓国は自己隔離アプリなど防疫システムが大きな効果を上げている」とし
「フランスなど西側諸国も人権侵害という妄想を止めて、この方法を積極的に取り入れなければならない」と主張しています。
(参考)Le Point 2020/04/01
韓国の方式について、ジョージ・オーウェルの小説1984に出てくるビッグブラザーだと指摘する人が多いのに対し、
「全体主義とは全く関係なく、人権・プライバシー・移動の権利を侵害していない」としています。
編集所感
いつものように韓国ネットの反論的なコメントと日本ネットのよくあるコメントが並べられていたわけでして。
久々にそういうのを見て、うまく儲けてるんだなぁと羨望しつつ、相変わらずここではああいうコメントを望む人たちの期待に応えられない路線で話していきます。
こうしたプライバシーや自由に関する感覚については、生まれ育った文化や個人の感じ方によって大きく異なることと思います。
例えば日本でも携帯電話位置情報の収集について、けしからんという人もいれば、匿名ならある程度は仕方がないという人、全く気にもしないという人とそれぞれいます。
誰が正解で誰が不正解ということもなく、個人個人がどこまでを許容するかということです。
そういった意味ではヨーロッパはこうした監視や人権に対して非常に敏感であり、韓国は休戦中ということもあって、少し特殊な環境です。
ヨーロッパのこうした人権に対する考え方というのは、いわゆる意識高い系なんでしょうね。状況がどうあれ人権や自由の侵害は許さないという。
韓国には今も北朝鮮のスパイに関する法律がいくつも残っているかと思います。
国民の番号制度が随分と昔に導入されたのも、国民を管理して北朝鮮のスパイを防ぐためだとされていたはずです。
日本もまた少し特殊な環境で、戦争の後遺症からか、国が余り多くを管理するのを好まないという人が多く、今回のコロナウイルス事態でも分かるように、大きな権力を持っていません。
直接選挙制の大統領の権限と間接的に選出される首相との権力差は当然大きくあるわけで、そういったところからも法制度の違いが出てきます。
日本でも今回の特別措置法は人権を大きく制限するものだと批判する声もあります。中身を詳しく見ればまあ理解はできます。
一方で、こんな制限しかできない立法をわざわざしたのかという批判的な声もあります。
どちらが正しいとか正しくないという問題ではありません。ただ、今のこのような状況に、より厳しい権限で国民の動きを抑制・統制すべきだという声も普段より大きい気がします。
今回の緊急事態宣言後の街の様子を見て、日本人の従順さというか、政府の権力が意外と大きく影響するというのを目の当たりにしたと感じています。
記事に出てきたフランス人に言わせれば、日本は権利の自由を侵害されていないと言うのかもしれませんね。男女の平等については世界から厳しい批判を受けていますけど。
それに関しては男性だけでなく、わたしたち女性の意識の問題もあるんでしょうけど。
年齢によって意識に大きな違いもありますし。おっとこの話はおいておきましょう。
では、皆さんはどう考え、どのような選択をするでしょうか。
感染拡大を防ぐためなら個人の情報を積極的に提供していくか、それとも適切に扱われるかどうかわからない個人情報の提供はすべきでないと考えるか。
わたしは非協力的と言われるかもしれませんが後者ですね。そういう人たちのせいで感染拡大が抑えられないんだと批判を浴びるでしょうが、それ以外の方法で防げてこそだという考えです。
現段階で政府が求めているように、人と会うのを避け、買い物と健康維持のための散歩以外の不要な外出を控え、自分の身を護るためにマスクと手洗いうがいをする。
日本では一人一人がこうした意識を持つことで、何とかして感染拡大を防ぐしかないと思います。
規制の緩さで現実的には色々と難しいかとは思いますが、「日本はあのようなやり方でも何とかしのぎきったじゃないか」とフランス人から言われるような結果になればと望むばかりです。
韓国の人たちはあのようなやり方でそれなりの結果が出て満足していうんでしょうからとやかくは言いません。
統制されることに関しては、歴史的にもまったく違う歩みをしてきたわけですから。
一方で日本はもっと政府が強力に制限しなければ難しいとも感じています。感染が拡大を続けている現状を見ると、悲観的にならざるをえません。
それでも、例え時間がかかってでも、個々の努力で何とか食い止めてほしいです。
お〆め
















でも中国製品を使ったらデータを抜かれそうな気がするでしょ?










そして・・・
















