#0064 韓国5G品質問題で130万ウォン賠償!離脱者と紛争拡大の懸念!
多くの人は「5Gに加入したがサービスがブツブツ切れてまともに使うことができない」として、違約金なしでのLTEへの契約変更、料金払い戻し、被害補償を要求しています。
4月初めにはKTが通信品質が悪くてストレスを受けたという顧客に対し、8ヶ月分の料金64万ウォンとその他使用料18万ウォン、
慰謝料48万ウォンの合計130万ウォンを支払ったと報じられました。
(参考)アジア経済 2020/05/29
この顧客は昨年8月に知人のすすめでiPhoneからGalaxy Note10Plusに変更。
その際に月8万ウォンで5G無制限料金プランに変更。
その際に24ヶ月後に機器を返却するスーパーチェンジサービスに加入するという契約だったそうです。
しかし既存のLTEより速度が遅く、通話の時にロボットのように聞こえたり、相手の声が途切れ途切れになるなど5Gサービスの広告が誇大で理解不能だとしていたそうです。
昨年9月から11月の間に通信会社KTに対して7回にわたって5G通信品質に関する請願を行ったとされています。
KTは5Gサービスには問題がないとして違約金なしの契約解除や料金払い戻しは受け入れなかったため、この顧客は1月31日に放送通信委員会に紛争調整を申し込んだそうです。
その結果この顧客が購入と契約を行った販売代理店の担当者から4月7日に連絡があり、2日後に払い戻しを受けたということです。
KT側はこれに関して「品質の問題ではなく契約の問題」として、販売代理店の説明不足によるものだとしています。
販売代理店の店員が勧誘の過程で5Gカバレッジ同意書を代筆したとする内容が確認されたためとしています。
5Gカバレッジ同意書とは、5G信号が受信可能な地域でも受信できない可能性があるという告知をして顧客に同意を得るというものです。
販売代理店がこの同意を得ずに販売した不完全販売だとして、今後は代理店への教育と管理を強化するとしています。
放送通信委員会に対する通信紛争調整が民事訴訟に発展する前で示談に応じたことは、実際に訴訟になればより多くの金額になると関係者は話しています。
放送通信委員会の関係者は「通信世代交代の時にこうしたことが起こりうるとして、通信事業者と加入者の双方の意見を聞いて紛争調整ができるよう努力している」と話しています。
これまでに5G品質問題の補償4件が報じられ、利用者が登録時に同意事項伝達内容を音声録音していて、
5Gカバレッジの案内が正しく行われていなかったため、32万ウォンの補償を受けたという事例も伝えられています。
編集所感
問題の一つとしては通信会社側は接続不良は一切認めず、契約上の問題としていることですね。
今回の補償についても他の合意に至った補償についても、代理店側の契約違反行為によるものであって、通信サービスの問題ではないという一貫した立場を取っているようなのです。
仮にこれを認めてしまえばサービスへの不満を訴える利用者が増えるでしょうから、ここは何としてでも認めたくないわけです。
仮に通信不良があったとしても、設備増強による品質改善が行われるまで耐え忍べば証明も難しくなるでしょうから、認めるわけにはいかないでしょう。
これまでに紛争調整を申請した人は56人。10万人に一人ですから、例えば申請していない人が100倍いるとしても、1,000人に一人の割合ということになります。
0.1%の人が品質に対する深刻な不満を持っていると考えると極めて小さな数字とも言えるわけです。
こう考えると被害者というのもどうかと思いますが、本当に不満を感じている人にとっては苦痛でしょうね。
一方で小さな不満を大げさに捉えて補償を受けようとするいわゆるブラックコンシューマもいるでしょうから面倒な話だと思います。
わたしがちょっと感じたのは、端末に問題があるかもしれないという考えには至らなかったのかと思います。
同じ場所で同じように使用して、一方だけ問題があるのであれば端末を疑うことがあってもよいと思いますけど。
あとは通信不良が常時なのか場所によるのかというのもあると思います。
完全にどのエリアも高品質をカバーできる段階ではないでしょうから。
昔、まだ携帯電話の時代ですけど、新しい通信会社と契約したら、家で電波が入らないとかあったわけです。
でも別の通信会社だと問題なかったりとか。
そんな時に事前に調べることができたらなんて思いました。
こうした5Gに関しても、購入して実は部屋の中では5Gが繋がらないとかあると思うんですよね。
そういうのを事前に確認できるような端末レンタルサービスのようなものが提供されていればと思います。
10年以上経っても何も変わらないんですね。こういうレンタルサービスを展開するのもどうなんでしょうね。
今回の紛争には参加連帯という韓国でそれなりに大きな力を持った市民団体が関与しています。
現在のソウル市長などの人権弁護士グループや学生運動出身者などが中心となって1994年に創設され、
政府や国会、司法、経済界に対して様々な活動を行っている団体だそうです。
政府支援を受けない団体ということで、一定の影響力はあるようですね。
今回の件については放送通信委員会が調査をして明確な補償基準を定めるべきだとしているようです。
彼らによると苦情を申し立てると放送通信委員会は「LTEモードに変えて使ってみろ」だとか「5G基地局が正常化されるまで待て」といった返答しかかえってこないそうです。
こうした対応のお粗末な機関や政府の担当部門などに対して提言をできるということのようですね。
結局のところ、今回の件もその他の件も、通信会社が代理店に責任を取らせるという形を取っているものと思われます。
代理店も義務違反でKT側からペナルティーを受けたりするのかもしれないですね。
韓国でもこの報道は取り扱いが小さいようですが、これを受けて苦情の声を上げる人が増えてくるかもしれないですね。
そもそも世界で初めて一般ユーザ向けに大規模な5Gサービスを展開した韓国ですが、社会自体は何か変わったのでしょうか?
映画が2秒でダウンロードできるとか言ってましたけど、実際には何秒ですかね?
2秒は理論値でしょうけど、誇張甚だしいですよね・・・。
韓国はサービスインから1年経った今でも5G周波数のなかでミリ波と呼ばれる28GHzをまだ利用していないわけで、速度面ではせいぜい250Mbps程度のようです。
理論値の10分の1以下ですけど、LTEの時もそんな感じでしたかね?もう記憶にないですね。
わたしも端末を変えたのがかなり経ってからでしたし。
韓国はHUAWEIを採用している通信会社もあるので、ひょっとしたら整備が遅れることになるかもしれないです。
いずれにせよ、喜び勇んで5Gに乗り換えても、大した恩恵は受けられないというところでしょうか。
日本でも実際に快適に使えるようになるにはあと1~2年ほどはかかると思います。
お〆め
まあそのくらいでしょうね。いまだに映画は2秒でダウンロードできないようですし。
あれ?もう興味ないですか?
そして・・・
きな粉とかメープルシロップ、いちごみるくかな?
(参考)神戸のまめやさん みの屋