国内17箇所、海外23箇所の合計40箇所の事業所を対象として、6月末までに緊急診断を行うとしています。
高リスク工程や設備など全て点検し、改善点はすぐに対処し、
短期間で問題解決が困難な場合は解決されるまで稼働を中断するとしています。
社内の技術者と外部の専門機関の人材で構成されるタスクフォースを構成して徹底的に行うとしています。https://bit.ly/3gs2Ydb 国民日報 2020/05/27
LG化学関係者は「全世界の事業所で現地の法律を遵守する次元を超え、グローバル基準で管理するという方針だ」と話しています。
また、同様の事故が繰り返されないように、情報通信システムも改善していくとしています。
国内では年内に、海外は来年上半期までに達成すると目標を掲げています。
LG化学のシン・ハクチョル副会長は「徹底した反省を通じて全てのことを原点から見直し、根本的な対策を講じている」
「今後環境・安全が担保されていない事業は推進せず、既存の事業も環境・安全問題があれば撤退も考慮する」と話しています。
LG化学が発表した環境安全分野の投資費用は年間約2,000億ウォンとしていますが、具体的な内容については明らかになっていません。
また、昨年判明した麗水産業団地での大気汚染物質排出数値操作事件では、徹底した環境対応を約束したが、いまだに曖昧なままです。
韓国の化学業界は頻繁に事故が起きる度に対策作りを強調してきましたが、状況は一向に変化していません。
この数年間事故が多発し、昨年8月には4社協同で今後5年間に安全・環境分野へ8,070億ウォンを投資するとしましたが、1年足らずでLG化学だけでも二度の事故を起こしています。
1年足らずでLG化学だけでも二度の事故を起こしています。
ロッテケミカルは3月に住民をも巻き込んだ爆発事故を起こしています。
こうした対策への約束だけが積み重なり、具体的な取り組みも明らかにならない状況に、不信感だけが広がり続けているようです。
編集所感
これはどの企業でも行っていることでしょう。
通常であればひとたび事故が起これば経営が深刻な状態になり、徹底した対策を講じなければ企業存続に関わるため、必死の対応が行われるでしょう。
しかしLG化学はそうではないようですね。
経営が揺らぐと言っても体力があり、比較的安定して好調な分野なので、懸命に対応する必要はないようです。
対応には費用がかかりますから、それが余りにも大きな場合は徹底した対策を取らないことで支出を最小化することもできます。
倫理的には問題があるかもしれませんが、企業存続の観点では利益追求の良い選択肢とも言えるわけです。
実際問題として、原因を追及しても分からないこともあり、対策を講じると言っても注意するくらいしかないわけです。
形としては調査報告書や対応策を発表し、再発防止策は誰も見ない手順書や標識を作ってやることをやっているように見せるしかなくなります。
実際わたしも顛末書を書かされるほどの事象を発生させてしまったことは何度かありますが、分からないものは分からないので形式上な報告書になってしまうんですよね。
LG化学はこうしてしょっちゅう問題を起こして一時的な業績悪化となるものの、山あり谷ありで企業は存続してきたわけです。
企業風土を変えるほどの根本対策や改革もこれまで行ってきていないのでしょう。
今回の発表でそれが行われるという印象を受けた人も少ないと思います。
徹底調査をして安全が確保できなければ稼働を停止する!
何だかものすごく素晴らしく、ようやく本気になったかのような印象を受ける方もいるかと思いますが、これはいわゆる当たり前のことです。
わたしは出掛ける前に着替えます!と宣言したようなもので、じゃあ今までは何をしてたのかという話です。
LG化学の発言から推測するに、工程に関しても設備に関しても定期的な安全点検や見直しなどが行われず、それとなく操業されてきたということでしょう。
点検をすれば稼働率は下がりますから、問題がなければそういうことを避けてきたという風土がこびりついているのではないでしょうか。
環境と安全に年間2,000億ウォンとありますが、実際このうちどの程度がどのように執行されているのかは分からないようです。
今回も外部の人を招聘して内部人材も対応に当たらせるので、それなりの費用が発生するでしょう。
この中には老朽設備の更新という事業継続と安全確保には当然必要なものも盛り込まれているかもしれません。
すなわち特別な対策を行うための費用だけで2,000億ウォンではないと推測します。
韓国メディアによると、安全施設への具体的な投資額は発表されないと言うんですね。
(参考)https://bit.ly/3gA3y8v MBN Money 2020/05/27
これはLG化学だけではなく、化学業界全体がこうして不透明だというのです。
内容が公開されないのであれば、どんなに素晴らしく聞こえる対策や投資も意味がないということになりませんか?
政府はもっと強度を持って対応に当たるべきですが、どうやら地方自治体任せになっているようです。
毎回各道知事が出てきて何やら声を上げています。
道知事も難しいんですよね。やり過ぎると雇用が維持できなくなるので。
別に蜜月だというわけではないのですが・・・。
こうした安全対策が適切に行われているかを監視する外部機関が必要だと思いますが、今のところ合同で立ち上げた委員会はあってもまともに機能していないようですね。
そういえばインドの事故に関してはLG化学がホームページ上に公式謝罪文やその後の対応についてのコメントが掲載されていました。
しかし先日の爆発事故については何も掲載されていません。被害者が従業員だったからですかね?よくわかりません。
この副会長なる人が未来のビジョンなんてのを発表していましたが、ここには安全や環境の文字は見られませんでしたね。https://bit.ly/2ZNXjby LG化学 2020/05/07
まるで環境や安全に対する問題意識がないかのようです。
ちょうどこの発表が行われているときにインドではガス漏れしてたんだと思います。
今回の会見を見て、LG化学が本気で変わろうとしていると感じた人はいないと思います。
内部では、これで我が社の本気が伝わっただろうと満足しているかもしれませんが、いずれにせよ周囲は素振りだと見ているのだと思います。
韓国政府もいつまでこんな不良業界を野放しにしているんですかね。
ここで強力に対応すれば石油化学産業と電池事業が縮小してしまうのが嫌ですか?
これ以上問題が起きれば、政府が強力に対応しなかったことにも飛び火するのではないかと思います。
お〆め
やっぱり何だかんだ言っても業績が大切なんですよ、会社って。
その、できれば不都合な事実は隠したいと言うか・・・。
あの、長時間労働はないですけどね。この数年で著しく改善されました。
内部ではこのくらいやればいいんじゃない?みたいな感じだと思います。
今回も変わらないんでしょうね。